寄り添う気持ち

先日、頭痛が徐々にひどくなり、気持ちが悪く嘔吐。その後2回嘔吐が続き、救急車を呼ぶほどではないけど、3回嘔吐が続いた事と万一、脳腫瘍や脳卒中だと心配・・・。ありがたいことに、家の近所の総合病院が365日24時間、時間外も診察対応してくれる体制をとっており、奥さんに運転してもらい受診しました。
ひどい頭痛と気持ち悪さで、表情は苦痛で険しく、待ち合いイスにぐったり座っていると。医師の診察前に、看護師より問診がありました。このご時世、コロナ患者をふまえた対応のため、身の回りでコロナ陽性者はいないか、ここ数日の家族を含めた体調はどうか、私が医療職のため職場の患者さんにコロナ陽性者はいないか、コロナワクチン3回目接種の有無の質問が続きます。私としては、しゃべると頭に痛みが響くため、できればしゃべりたくないところですが、問診に答えていきます。最後に3回目ワクチンをいつ接種されましたか?と聞かれました。正直、苦痛でしゃべるのが精一杯でいつ接種したか思い出す余裕がなく、「すみません、よく覚えていないです・・・」。心の中では、もうこれ以上の質問は喋るのがきついので勘弁して下さいという気持ちでした。しかし、看護師さんから「医療職の方なら1月か2月頃と思いますがどうですか?」と質問が続きます・・・
もう少し、私の体調や苦痛に寄り添った声かけや配慮があったら、苦痛は変わらなくても少し癒されたかもしれません。ただ、看護師さんが悪いとは思いません、必要な情報をとりもらさないように、しっかりと聞かなければならないのが仕事だからです。
その後、脳のCT撮影となり、結果は脳腫瘍や脳出血はありませんでした。
診察で医師より、「CTに問題ないので、今日はこれでいいですね。家に市販の痛み止めとかなければ、痛み止め出しましょうか?」 といわれましたが、気持ち悪さが続いており、薬を飲む時に水を飲むと嘔吐してしまうのではないかという不安を伝えると、「じゃあ、吐き気止めの薬出しましょうか?」と言われました。
これも医師の対応として何も間違った対応ではありません、正しい対応だと思います。ただ、私としては吐き気止めの薬が欲しくて言ったわけでなく心身が弱っており不安な気持ちを汲みとって欲しい、そんな気持ちでした。
もちろん、私の苦痛な気持ちを汲み取ったからといって、頭痛や気持ち悪さが治るわけではなく医学的に必要はありませんが、私の苦しみが少し癒されたかもしれません。
私自身、医療職として日々患者さんと接していますが、今回の経験から、もっと患者さんの心に寄り添ったかかわりを持つことができたなら、たとえ回復の見込みが厳しかったり、もとの仕事への復帰ができなかったり、家に帰ることができなかったりなど、私自身が何か医療者としてできることが限られた状況であっても、患者さんに寄り添うことで苦しみの解放や癒しにつなげることができるのではないか? そう感じる経験となりました。