答えは一つ症候群

これまで「ムダなことはやるな」「ムダはなくせ」と教えられてきたことでしょう。生産性を上げる、つまり、儲けにつながらないムダを削ることは正しいとされています。

ムダとは特定の枠組みから外れることです。しかし、その枠組みを外れてしまうとムダが助けになることがあります。


「答え」がいくつもあるにもかかわらず、教えられた「たった一つの正しいとされる答え」を覚え、それ以外をムダだと否定する。こうした「他のやりかたを一切許さない」を繰り返していくと、別の枠組みが想像できなくなります。  この自分の枠組みだけに囚われて思考停止になる状態を、わたしは「答えは一つ症候群」と呼んでいます。  「答えは一つ症候群」にかかると別の答えを許せなくなり、窮屈になり、どんどん視野が狭くなってしまいます。

(木村尚義:ずるい考え方)


本のタイトルは、ずるい考え方ですが、別のいい方では「ラテラルシンキング」、一休さんのトンチ話のように、目的を達成するには、いろんな発想や考え方があります。

私の父親から子供の頃によく言われた言葉で、「すじみちを立てて考えなさい」と言われたのを思い出します。これはロジカルシンキングで大切と思いますが、これのおかげか、私は自由に発想したりアイディアを出すのは苦手で思考に融通がききにくいです。すじみちを立て考えるがゆえに、すじみちを外れた考え方での解決方法が思いつかない。他者に言われた一言で、あぁ、これでもいいんだ、とか、こんな解決方法もあるのかということがよくあります。

まさに考え方、生き方が「答えは一つ症候群」だなと本を読んで納得してしまいました。