やなせたかしさんの言葉④ スーパーマン

我々が本当にスーパーマンに助けてもらいたいのは、たとえば、失恋して死にそうな時、おなかがすいて倒れそうな時、あるいは旅先でお金がなくなった時、その他いろいろあるわけで、そういう細かいところに気がつく優しいスーパーマンがいてほしいのです。鉄橋もちあげたり、全くいそうにもないビニール製の怪獣をなぐりつけてもらっても、あんまり心から喜べない。本当のスーパーマンは、ほんのささやかな親切を惜しまない人だと。そして、そういう話をいつか描きたいと考えたのです。

“ちいさなてのひらでも、しあわせはつかめる。ちいさなこころにも、しあわせはあふれる――”

世界にヒーローはたくさんいるけれど、自分を食べさせるヒーローはアンパンマン以外にいない。ちっともハンサムじゃないし、カツコよくもない。だけど、そんなアンパンマンに、なぜかひどく愛着を感じていた。

 

スーパーマンのように敵を倒すのでなく、アンパンマンは人へ分け与え、助けるヒーロー。

アンパンマンのように、人に親切にし、分かち合い、喜びを与えられる。そんなヒーロー、見習いたいです。