人間が一番うれしいことはなんだろう? やなせたかしさんの言葉①

“人間が一番うれしいことはなんだろう? 長い間、ぼくは考えてきた。そして結局、人が一番うれしいのは、人をよろこばせることだということがわかりました。実に単純なことです。ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい――”

長い人生を生きてきたが、星の命に比べたら、百歳まで生きたって、瞬間に消え去っていくのと変わらない。

人間は、宇宙的にいえば、ごく短い間しか生きはしないのだ。つかの間の人生なら、なるべく楽しく暮らしたほうがいい。

それでは、人は何が一番楽しいんだろう。何が一番うれしいんだろう。その答えが「よろこばせごっこ」だった。

母親が一生懸命に料理をつくるのは、「おいしい」とよろこんで食べる家族の顔を見るのがうれしいからだ。父親が汗をかいて仕事をするのは、家族のよろこびを支えるためだ。

美しく生まれた人は、その美しさで人をよろこばせることができる。学問が得意な人は学問で、絵を描ける人は絵を描くことで。歌える人は歌で。

人は、人がよろこんで笑う声を聞くのが一番うれしい。だから、人がよろこび、笑い声を立ててくれる漫画を長く描いてきた。

自分が描いた漫画を読んで子どもたちがよろこんでくれる。その様子を見て、自分がうれしくなる。こうしてよろこばせごっこができることが本当に幸せだ。

あなたは何をして、よろこばせごっこをしていますか?

(やなせ たかし)

 

やなせたかしさんは、アンパンマンの作者です。アンパンマンもお腹をすかした人に与えて助けるヒーロー。

つい、私は何が与えることができるのかよりも、何が得られるのかを考えがちですが、それよりも、人が喜んでくれ、笑顔や笑い声を聞くほうが嬉しい。

3歳の娘がいますが、娘の笑顔がみれると嬉しくて、どこか出かけたり、何か作ったり、一緒に遊んだりするのは、娘を喜ばすことが私の喜びなんだと気づきました。

 

追記

よろこばせごっこという言葉を、うろ覚えで、よろこばせあいごっこと記憶しており、スマホで入力して変換したところ、「 喜ばせ愛ごっこ 」と変換されました。変換ミスですが、愛という字が入ってちょっといい感じです。