前向きに生きる。やなせたかしさんの言葉②

やなせたかしさんは、「病気の総合商社」と自分でいわれていたそうです。

 

「 僕はがんはやっているし、こっち側(左側)の腎臓は取ってしまってないんです。それからすい臓も、すい炎というのをやって上から3分の1を切り取っている。胆のうもない。この間は腸閉塞をやって、腸を45センチも切りました。心臓にはペースメーカーも入っていて、だからもうボロボロですよ 

 

「 物事は後ろ向きに、いくら考えてもしょうがない。というか、そういうふうに思うようにしているわけ。嫌なことは、考えないようにしているの。考えたってムダですからね。やっぱり悪いほうへ悪いほうへ、考えてしまいがちでしょ。だから、無理に考えないようにするんだ。すると、なんらかの状況は変わってくるもんですよ。

 

「 悲喜こもごも」という言葉がありますが、まずは悲しみが先にやってくる。人間が生きていることを感じるのは、悲しいときのほうが多いのです。」

「病人になっても泣いているのではおもしろくない。僕は病気になってあんまり悲しんだりはしない。だって損だから。」

「 経験したことすべてが役立つんです。だから失恋しても、泥棒にあっても、戦争にあっても、病気しても、目の前に起こることすべてが役立つんですよ。」

やなせたかしさんは、物事を前向きに考えるようにされたそうで、例えば、病院へ行ったら、きれいなナースさんはいるかなあと探して、あの人ならいいなあとか、そういう風に思うと、病院へ行くのも楽しくなるのだそうです。

私自身、どちらかというと物事を悪い方へ何かと考えがちです。自分で変えられる状況ならまだしも、病気、癌など自分ではどうしようもない状況であったとしても、どんな状況にもかかわらず前向きに捉え直し続ける。そんな、やなせさんの姿勢にとても勇気づけられます。

たとえ悲観的な状況が訪れたとしても、後悔やネガティブに捉えず、「 経験したことすべてが役立つ。目の前に起こるすべてが役立つ。」そんなふうに94歳まで生きられた、やなせさんの生き方。そして、そんなやなせさんが生み出した、皆に勇気を与えるアンパン。とても尊敬します。