余命と向き合う人③ 最後には楽しかったと思える記憶を増やしたい

NHKのドキュメンタリー番組

「100カメ」余命と向き合う人 人生の残り時間を意識する人たちの日常に密着

 

「余命と向き合う人」では、さまざまな事情で「人生の残り時間」=「余命」と向き合うことになった5人の方が、がんとわかったことをきっかけに、自らの「余命」を意識し、毎日の生き方を見つめ直していました。

 

5人の方のうち、ととあさんについて。

 

「病気になって悔しい、悲しいと思いますが、最後には楽しかったと思える思い出を増やしたいと思っています。ここまで考えられるようになるには時間がかかりましたし、命に関わることなので、毎日考えては沈むこともあります。しかし、できる限り楽しく過ごしたい」

 

ととあさんの病気がわかってから、家族をはじめ周りの友人や職場の同僚たちが「できる限り協力したい」「一緒にいろんなところへ行こう」と声をかけてくれたそうです。そんな周りの声に励まされ、「落ち込んでいてもしょうがない」と思えるようになったそうです。

 

「そりゃ死にたくないし、テレビとかラジオとかネットとかおもしろい出来事がある。そういうものをもっと見たいし経験したい。だけどつらい記憶や嫌な記憶がたくさんあるよりも、それ以上の楽しい記憶を積み重ねていったほうが死んだとき幸せじゃないかなって思う」

 

冷静に現実を見つめ、残された時間をどう生きたいかをしっかりと考えながら、11日を大切にととあさんは過ごされました。

 

「余命と向き合う経験を意味あるものにしたい。病気になったことで、生きること、死んじゃうこと、健康について考えている。自分の経験を話したり残したりすることで何か人の役に立つことができれば、病気を経験したことにも意味があるかなと思う。取材を受けることで自分の姿を残してもらうことで、人の役に立つ一歩になればいいなと思います」

 

ととあさんの言葉から、精一杯命を過ごされたのが伝わってきます。辛い、悔しいという気持ちと向き合いながら、それでも楽しい人生だったと思えるよう、余命を意味あるものにしたいと取材を受けられたととあさん言葉、すでにととあさんは亡くなられていますが、ととあさんの言葉は私の心の中に生きています。