解釈力

前回の記事の続きで、田坂さんの講演内容からです。

逆境におちいった時、不運と思える出来事が起きた時。人生で最も大切なひとつの力、物事を解釈する力について語られています。

講演では、具体的なエピソードがいくつか紹介されますがその一つを載せます。


アメリカで交通事故にあった方の話で、男性の方が運転していて一瞬の不注意からバンとぶつかられて、病院に担ぎ込まれる。意識不明の重体から目が覚めると、左足切断。一瞬の不注意でもう人生を棒にふってしまったと思って、悲嘆のどん底にいた。その病院に日本から駆けつけてきた奥さん、病室に入るなり仰ったその言葉。旦那さん抱き抱えて何と仰ったか。「 あなた、よかったわね。命は助かった。右足は残ったじゃない この奥さん、このギリギリの場面で何と解釈するのか。あぁ、あの不注意で人生棒にふってしまったと思うのか。あぁ、命が残ったありがたい。右足が残ったありがたい。この解釈力の差。

田坂さんは、人間の強さは解釈力だと話されます。人生というのは、何が起こったか、それが人生をわけるのではない。起こった事を、どう解釈するか。それが人生をわける。

様々な苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失がやってきた、その時に、この解釈力というその言葉をしっかり思い出して頂きたいと話されています。


また、別のエピソードとして、元サッカー日本代表岡田武史監督が、マリノスで監督をしていた時、明らかに審判の誤審で試合を失うことがあった。それは誰が見てもテレビのリプレイ見ても審判の誤審。でも、当時はレフリーの判定は覆らない。敗れた試合後のインタビューで、記者に「 酷い誤審でしたね 」と、監督から愚痴の一つも聞きたい場面でしたが、岡田監督は何と答えたか、堂々と「 審判も人間ですから、誤審をすることはあるでしょう、でも我々はそれも含めて勝たなければならないんですよ 」と語った。運も実力のうちという言葉があるけれど、それも含めて勝たなければいけないんだと受け止める力。これも大切な力として紹介されています。



田坂さんの講演から気づかされることは他にも多くありました。

人生、苦しい出来事や不運な出来事はないのが理想ですが、生きている以上避けることは難しい。その時にどう対応するのか? ここが人間力として現れる。どう考え直せるか、捉え直せるかの差が大きいと感じます。


少しズレますが、斉藤ひとりさんもいろいろ捉え方が凄い方だなと思います。数字の4と9は四苦八苦につながるから縁起悪いという話があれば、4と9は良くなるの4と9だから良くなるとか。厄年は、飛躍(ひやく)する年といったり。部屋で物音が起きるという話があれば、天使のいたずらじゃないですかと答えたり。発想力が何かとすごいです。


自分の中でほっとできる解釈、捉え方。道が開けるような考え方を意識していきたいです。