稲盛和夫さん

京セラや、KDDIの創業者で、日本航空(JAL)の再建などされた稲盛和夫さんが、先週、824日に90歳で亡くなられました。

私が結婚して実家を出る時に数百冊ある本の中から3冊に絞って家を出た時の一冊が稲盛和夫さんの本でした。今回、追悼の意をこめて本の中の言葉を紹介したいと思います。

京セラという会社をつくってからは、何とかこの会社を立派な会社にしよう、従業員が喜びを感じながら勤められる会社にしたい、と思って努力してきました。そして幸運にも、わたしは技術者としても経営者としても、一応の成功を収めることができました。

しかし、そのようなわたしも、いつかは死というものを迎えます。人間は、死んでしまえば、何もあの世にはもっていけません。京セラをつくった、KDDIをつくった、稲盛財団もつくった、といったところで、それがどうなるのでしょう。

それでは、何のためにわたしはこれまで必死に働いてきたのでしょうか。人生の目的とは、何なんのでしょうか。何度もお話ししますが、わたしは、人生の目的とは、この世で地位や名声やお金を得ることではなく、自分の心を少しでも美しく磨いていくことだと思っています。

この世に生を受けたこと自体は、わたし自身の意志によるものではありません。そして、70数年の人生の中で、わたしは災難にも遭い、幸運にも恵まれました。わたしは人生の目的とは、それらの試練に出会いながら、自分自身の心を磨き、魂を磨いて美しい心をつくることだったのだと、あらためて思うのです。