すべて伏線だ

「苦しみの只中にあるとき、君は、この世界から問いかけられているのだ。『それでもなお、信じるのか?』と。そして、どれだけ絶望的な状況にあっても決して人生から降りず、その瞬間に成し遂げられる最高の心の姿勢を持つこと。それこそが、『あきらめたら、そこでレース終了だ』という言葉の本当の意味なのだよ!」 

うまくいっているときは、誰もが自分を信じることができる。 でも、本当に大事なのは、自分を信じられなくなるような出来事に見舞われたときこそ、自分を信じること。少なくとも、「信じようとする」ことなんだ。

  「すべて、伏線だ」

「これまで、君の人生には、君から自信を奪い、自分への不信感を募らせる出来事が起きたろう。苦しみ、嘆き、みじめな気持ちになる出来事が起きたろう。それらのすべてに向かって言いなさい。『君たちは、伏線だ』と。これらは自分が夢を見つけるという──自分が幸せになるという──人生のドラマを最高に盛り上げるための必要不可欠な伏線なのだと!」

「もし、そう思えなかったとしても! 思うために、できる限りのことをしなさい!」 

 「『伏線だ!』と強く思いなさい。『伏線だぁ!』と声に出しなさい。『伏線いただきましたぁ!』と声を張り上げなさい。『いただいた伏線は後ほど回収させていただきますぅ!』と敬礼しながらマイクに向かって叫びなさい。すると、どうなると思う? そう。間違いなくバカにされるだろう。それでいいのだ! 周囲の者が誰一人信じなくとも、君が、君自身を信じれるようになるための行動を起こすこと。それこそが、自分を信じるという心の状態を生み出すのだ!」

そして、もし当たらなかったとしても、失ったものを取り戻すことができなかったとしても──それもまた、伏線だ。  

自分を見捨てることなく前に進み続ければ、すべての出来事が「伏線だった」と心から思える日が、いつか必ず来るはずだ。

( 夢をかなえるゾウ0 : 水野敬也 )


最後の、信じて「 前に進み続ければ 」という部分。先のことはわからないけど、今あることは伏線だと思うことで、未来に希望を持つことができる。勇気づけられます。