サッカー森保監督の言葉① <森保流 逆境に負けない心>

 

私自身もスランプは何度も経験したことがあって、いわゆる挫折もたくさん経験しています。

今こうやって日本代表の監督もやっていて、プロのキャリアもやっていて、成功しかないような見られ方をしていると思いますけれど、実は、プロのときにも日本代表の選手で、所属チームでもずっとレギュラーでというところから、レギュラーを外されるような状況になったことがありました。

そのときに、私が陥っていたところは、ライバルである選手が自分のポジションに入ってきて『どうしたらいいんだろう』と。今まで自分がレギュラーでやっていたのに、今からどうしたらいいんだろうとなったときに、そのライバルの選手は『こういうこともやる。ああいうこともやる』ということで、そのライバルの人しか見えなくなって、自分自身が何をしたらいいのかということがあまり見えなくなりました。

彼と同じようにやることが、自分がまた試合に出られるようになることだと思ってしまって、全く自分のペースが作れなくなって、自分らしさというものを全く出せなくなって、おどおどしている。自信のないこんな自分ってあるのかなというぐらいになってしまったんです。

でも、ある人からアドバイスをもらいました。『お前はお前だよな。今自信をなくしているということや、相手のことしか言ってないけれど、自分に何ができるのかということを考えているか』ということを言ってくれ ました。そのときに目の前の霧が一気になくなって明るくなりました。

何を思ったかと言うと、自分のできないことはもちろん認めながら、弱さも認めて、『今自分ができることは何なのか。自分のキャラクターで、自分のベストを尽くすことをやらなければいけない』ということを考えることができたんです。

そのときからは、ライバルとしていろんな選手がいますけれど、『今自分がやれることをちゃんとチームの中で見せることが大切なんだ』ということに気付いて、ライバルは関係なく、自分に自信を持ちながら、難しい状態にいる自分も認めながら、昨日よりも今日の自分、今日よりも明日の自分を少しでも良くしていこう。その努力をしていこうということになって、気持ちが軽くなった。

自分のことだけにフォーカスできるようになったら、やっぱり調子も良くなってポジションを取り戻すことができたということがありました。

最終的にポジションを取り戻すことができたということがハッピーかというと、それはもちろんハッピーなんだけれど、取り戻すことができなかったとしても、『自分自身が納得することを続けていくことが大切なんだ』ということをそのときに教えられて、自分自身がすごく勇気を持てるというか、そういう自分になれたな と思います」

「なかなか結果が出ないとか、壁はあると思いますけれど、まず、そこまで結果を出すために自分がやっているプロセスを自分自身が認めてあげて、そこに納得しながら次の目標、少しでも記録を伸ばせるようにチャレンジしてほしいと思います」

 

スランプ時、他者に目を向けることから、自分に目を向け、自分の弱さを認めながら、自分のできるベストを尽くす。ライバルの相手は関係なく、自分に自信を持ちながら、難しい状態にいる自分も認めながら、昨日よりも今日の自分、今日よりも明日の自分を少しでも良くしていく、その努力。自分自身が納得できることを続けていく、それが勇気につながる。チャレンジにつながる。そんな森保監督の言葉にとても勇気づけられます。